本計画は都内の住宅地、路地つきあたりの四方を隣地に囲まれた21坪の敷地に建つ夫婦と子どもひとりの家族3人のための小さな住宅です。
ご家族からの要望は「外からのプライバシーは守りながらも、明るく伸びやかに暮らしたい」という「閉」と「開」が共存した住まいでの暮らしでした。
21坪という限られた敷地に建ぺい率60％、容積率100％という条件のもと、隣家の建ち方や空地の在り方、眺望の抜けなどを考察し、家族が集うLDK は2階の床すべてを使ったワンルーム、それ以外の暮らしを支える諸室は1階に配しました。

アソトシヒロデザインオフィス │ 建築家　阿蘓俊博

2階のLDKワンルームは南へ伸びやかに広がる勾配天井とし、空と空地へ繋がります。窓開口には内外双方からのプライバシーを考慮し、大きなものを用いずに小さなものを市松に配しました。市松がもつ「図と地」の知覚作用により、外へは規模や内の様子を伝えず、内へは小さな窓開口のすべてが空へと向かうひとつの大きな開口となり、明るさと伸びやかさを伝えます。
1階の諸室は回遊動線上に配し、機能的なつらなりとなるように計画しました。1階を機能に特化することにより2階のLDKワンルームはその対比から、より伸びやかな空間となります。
本計画にて都心の隣地に囲まれた小さな住宅に「閉」と「開」の相反する事象が互いに心地よく共存しえることを示したいと考えました。

床仕上げ材は、空間ごとに合う素材を選定しています。
数ある選択肢の中から「House M」ではコルク材を使用した「コルクコンフォート」を選定しました。
コルクは木の樹皮を使い、伐採をしないエコな素材ということも素晴らしいですし、コルクならではの耐水性やクッション性があり、水に強く、衝撃や足音などを吸収してくれる機能性も魅力です。

テキスト ： アソトシヒロデザインオフィス／阿蘓俊博
写真撮影 ： 佐藤周哉

PROJECT

： House M

PRODUCT

： Corkcomfort Signature

/ ファッショナブル セメント、パーソナリティ ティー

設計監理

： アソトシヒロデザインオフィス／阿蘓俊博

PHOTOS

： 佐藤周哉

Corkcomfortは、天然素材のコルクを使用したポルトガル製フローリングで、断熱性や吸音性にも優れています。
「House M」では、 Corkcomfortの質感が壁や家具の色合いや市松に配された窓から差しこむ光と見事に調和し、柔らかで優しい空間を演出しています。
Corkcomfortはコルクの持つ機能性と独自のデザイン性を兼ね備えたフローリングです。ぜひショールームでご覧ください。

営業 ： 大園 祥二郎