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AD WORLD NEWS LETTER 2021年05月19日号
CASE STUDY Vol.241 The 2725 Elements Room 白井屋ホテル ミケーレ・デ・ルッキ スペシャルルーム
SHIROIYA HOTEL 柿板とはたくさんの小さな板を使った、とてもシンプルながら素晴らしいものです。その起源はわかっていませんが、何世紀にもわたって世界中の様々な文化においてそれぞれ異なる手法で使われてきました。建築家にとってはとても美しい効果を生み出すことのできる魅力的なものです。柿板は、2次3次元曲面や波型曲面を含むあらゆる表面の仕上げに使用することができます。視覚的に柔らかな印象をもった堅牢な表面を作り出すことができます。板の間隔を変えることで布のカーテンのような透け感を表現することもできます。白井屋ホテルにおいては柿板を部屋のコーナー部分のみ固定しそれ以外は可動の硬い素材をカーテンとして採用することで、柔らかく軽い印象に仕上げました。
©Shinya Kigure
部屋全体にアーティスティックなインスタレーションの印象を生み出すことを目的に、2725枚の木製柿板で彫刻とインテリアデザインのギャップを埋めました。ホテルは通常連番で部屋を呼びますが、この部屋には特別な柿板へのオマージュとして2725という名をつけました。採用したEW8 アブソルートブラックの素材感によって、それぞれの柿板がお互いに似ていながら静かなグラデーションを生み出し、部屋全体に休養と眠りのための落ち着き、平安で、愛情に満ちた雰囲気を生み出しています。

デザイン │ ミケーレ・デ・ルッキ
Michele De Lucchi ミケーレ・デ・ルッキ イタリアの世界的建築家。フィレンツェの大学で建築を学んだ後、1980年に歴史的デザイングループ「メンフィス」を設立した、ポスト・モダニズムを代表するデザイナーとして知られています。1984年、ミラノに自身のスタジオを設立、建築・インテリア・グラフィック・照明・プロダクトデザインなど幅広いプロジェクトに携わっています。2019年にはAD WORLDのショールームで日本で初めて実験的なプロジェクト「Earth Stations ― Many Hands」のインスタレーション展示を行いました。オープニングにはミケーレ・デ・ルッキ氏も来場し、ワークショップを開催致しました。歴史と権威あるコンパッソ・ドーロを2度受賞しており、イタリアデザイン界を代表する一人として国際的に活躍しています。




PROJECT The 2725 Elements Room 白井屋ホテル ミケーレ・デ・ルッキ スペシャルルーム
PRODUCT 特注ウッドカーテン : EW8 アブソルートブラック
洗面台・ロングデスク : EW8 アブソルートブラック
フローリング : Listone Giordano natural geniusシリーズ medoc 特注色
デザイン ミケーレ・デ・ルッキ
設計 藤本壮介建築設計事務所
施工 AD WORLD クリエイティブプロダクション
写真 木暮伸也/白井屋ホテル提供


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