世の中は大きく分けると、カッコいいものとそうでもないものとに分けることが出来ます。 カッコいいものはたくさんあるのですが、なかでも代表選手は杉本博司さんの海景です。 ガラスの段板も凄いけど、やっぱり海景は五感を刺激してくれます。 そんなある日エヌエフデザインの中原正昭さんから、 海景にインスパイヤーされて景色を突き板で壁面を作りたい、とのお話がありました。 施主さんの希望で食事の場としてふさわしくなる様に赤を入れて「水平線に沈む夕焼け」となって 施主さんもきっと喜んで下さるとなれば、やるしかない。 「きっと、いい壁が出来ます」と作り方も考えずに即答しました。 「水平線に沈む夕焼け」をイメージしたCGを見せられ、 「不燃です」と言われた時はどうなることかと心配しましたが、 中原正昭さんに工場に来ていただき、朝から世界各国の数百種類の突き板を見て、木目と色を選び出し パズルの様にレイアウトが終わった時には、夜になっていました。

個人的には、三代目桂三木助の芝浜 の夜明けを思い浮かべて、感動してしまったのですが、 先日お店のカウンター席で食事をした時、店主がひとり豊後水道を背に調理しているかの様に見えました。 みなさんも不思議な世界を経験しに、南青山とし緒に行ってみましょう。